26歳の折、白隠は京都白川の山中に白幽真人という仙道と医道に通じた隠者を尋ねています。前述したように、その頃の白隠は重症の『禅病』を患って、心身が衰弱しきっていました。白幽から、養生の秘法を教えられ、実践して、治癒しました。その体験を72歳の時に『夜船閑話』に書き残しました。
原則として夜の就寝前と朝の起床前に寝床で行う。
寝床はふわふわしていてはいけない。背筋がピンと伸びる平らな物、煎餅布団が最もよい。
仰向けの姿勢は最も楽な姿勢である。
この姿勢は宇宙に一切を委ねた姿である。
30分が標準だが、個々のライフスタイルにあわせて、何分でもよい。
心中のモヤモヤした雑念を全て吐き出し、心を空っぽにすること。
呼吸数を数えながら、丹田呼吸(下腹部に重点をおく呼吸法)を行うこと。
床に入り、上を向いて静かに横たわる。
枕の高さは拳ひとにぎりくらいが適当である。
両手は脇に卵1個を挟んだくらいに自然に開く。
両足は腰幅程度に開いてリラックスする。
全身の力を抜く。
両足を強く伸ばして踏み揃え、丹田呼吸をする。
身体中の息をすっかり吐き出す。
大気を鼻の孔からゆっくりと深々と吸う(心の中で「ひとーつ」「ふたーつ」「みっーつ」と語尾を伸ばして数える)
下腹部に空気を満たす気持ちで「吸気」を行う。大気は肺に満ちて、横隔膜は下がり、下腹部が広がる。臍下丹田の充実感を覚える。
「吸気」の所用時間は5秒以上かける。
充分に大気を吸収したら、1〜2秒、息を止めて「呼気」の準備をする。
「呼気」も心の中でゆっくりと「ひとーつ」「ふたーつ」と数えながら、静かにゆっくりと5秒くらいかけて、鼻の孔から大気を吐き出す。横隔膜は上がり、下腹部はへこむ。修練により、1呼吸に15秒程度できるように努力する。
放下着のうえ、丹田呼吸を行っていると、心身が充実する。気分が落ち着き、安らかになり、一種の催眠状態になる。観想(心で見、深く思う)を行う。
次第に身体全体の気が下半身まで満ち渡り、手足から身体全体へと温かくなり、心地良くなり、眠気を催し、そのまま熟睡できる。非常に有効なストレス解消になる。
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